【配信技術ブログ】Vol.5 配信システムリニューアル

PICK UP

感染拡大が甚大になり、遂に愛知県独自の緊急事態宣言が出てしまいました。当店も感染拡大防止の為、多くのライブ自粛を余儀なくされました。

当店ではクラウドファンディング終了後、皆様の応援を糧にその後来たる第二波に備え準備をすすめて参りました。
第二波が来て無観客になったとしても、『より高品質で臨場感のあるライブ配信をお届けする為』に、「国の非対面ビジネスへの補助金」を申請し、配信機材を着々と準備しておりました。

そのため、6月〜7月中は当コミュニティサイト更新もあまり手が回らない状況となり、申し訳ございません。

コロナによる感染拡大の最中でも、お客様には自宅から安心安全にいつもの「MusicBarARMADILLO」のライブを楽しんで頂きたい、その想いで7月末、ようやくリニューアル機材によるライブ配信準備が整いました。

近日中に新しい配信システムの詳細を記事にさせて頂く予定ですが、本日は新しい配信機材の中でもとりわけ便利な機材をご紹介させて頂きます。

無観客ライブなどを控え、機材準備・更新で悩まれている同業者様、プロミュージシャンの皆様に何か少しでも役に立つ情報があればと思っております。

【ARMADILLO新配信システムでのサンプル動画】

「今堀良昭セッション@本郷アルマジロ」1オペ本格マルチカメラ動画ライブ配信

上記リニューアルシステムでの配信動画例

【便利な配信デバイス】

前回までの記事でご紹介した通り、以前の配信システムではパソコンを直接的には介さず、iOSデバイス・アプリを使用した配信システムを構築しておりました。

以前のiOSデバイス配信システムの記事を読まれたい方はコチラ。。

今回リニューアルした配信システムは、パソコンへと映像をキャプチャーし、フリー配信ソフトウェア「OBS STUDIO」を使用したよりスタンダードなシステムです。

Open Broadcaster Software®️ | OBS
OBS (Open Broadcaster Software) is free and open source software for video recording and live streaming. Stream to Twitch, YouTube and many other providers or r...

カメラやスイッチャー周りの機材は予算や使用形態で変わってくると思いますが、大枠のシステム構築は一般的に一番多いシステムだと自負しております。

今回はその中に組み込んだ「USBデバイス」を紹介させて頂きます。

個人的にはリニューアル機材の中で、「一番汎用性が高く、便利、コストパフォーマンスが良い機材」だと思い、そしてまた最近多く特集される映像配信の雑誌・動画・ブログなどでもそこまであまり取り上げられていないように見受けましたので、今回当ブログにて記事にさせて頂きます。

【新導入USBデバイス「STREAM DECK」】

今回紹介させていただくのは、「Elgato」から発売されているUSB接続デバイスの「STREAM DECK」です。

「Elgato」はライブ配信用の多くの商品を発売しているメーカーで、録画付ビデオキャプチャーボードやマイク、折りたたみクロマキーなど様々な商品を取り扱っております。

Elgato | elgato.com
Empowering Content Creators.

今回紹介する「STREAM DECK」は言うなれば、様々な機能を有する「キーボードショートカットデバイス」です。

最近では「PCレスのエンコード・配信デバイス」も増えていますが、パソコンを使用したライブ配信を行うメリットは「パソコン自体の汎用性の高さ」「外部ソフトウェアが使用可能」な事です。

例えば、高価なスイッチャーソフトを導入せずにマルチカメラ配信する方法として、パソコンにUSBウェブカムを複数台接続して利用する方法があります。
このシステムのデメリットとしては、「カメラの細かな調整や複数のカメラアングルのスイッチングを素早く行えない事」などが挙げられます。

しかしパソコン独自の強みとして、大抵のソフトウェアにはショートカット」や「ホットキー割当が存在しており、その欠点を補う事が可能です。
OBSで予め組み込んだ「シーン1」という1カメの映像から「シーン2」という2カメの映像へのスイッチングを、マウスでクリックする動作でなく、キーボード上のショートカットコマンドで代用し、素早く行う事が可能です。

ここで問題になるのが、いくら素早く操作できるとは言えパソコンのキーボード上での操作というのはそれにかかりきりになってしまったり、複数のショートカットを覚えるのは困難〜場合によっては押し間違いによる誤操作が増え、当店のようなワンマンオペレートをするのには不向きであるという点です。

そこで、今回のSTREAM DECK」を利用すると、

・キーボード上での操作がボタン1つで素早く簡単操作
・ボタンレイアウトは勿論、アイコンすらカスタマイズ可能で誤操作防止
・簡易システムならスイッチャーが不要。場合によってはスイッチャーよりも便利

といった、様々な問題を解消する事が可能です。
そして価格も¥16,000〜と非常に良心的

本日は、当店が使用している中でその便利な機能のほんの一部をご紹介いたします。

【主な機能】

当店では15のLCDキーが付いた「STREAM DECK」を使用しています。(他にもLCDキーが6or32のバージョンがあります。)
「STREAM DECK」の主な機能は以下の通りです。

・15のLCDキーを使用して、最高210のアクションを起動
・キーボードショートカットをマッピングしたり、記憶する必要は不要
・ワンタッチ操作で、シーンを切り替える、メディアを起動する、オーディオを調整する、などの操作が可能
・ビジュアルフィードバックですべてのコマンドを確認可能

テキスト化すると少し分かりにくいですが、具体的にこのデバイスで出来る事を掘り下げて行きます。

【①ワンタッチのショートカット操作】

例えばウェブカメラ2台を繋いだパソコン〜OBSでの簡易配信システムの場合、大きな問題になるのは「スイッチャーが無い事」です。

ですが、このデバイスは【OBS上での疑似ビデオスイッチャー】としても使用できます
下記画像のように、4つのカメラデバイスの切り替えをボタンに組み込む事も可能。
両手を使わず、ワンタッチで好きな動作を呼び出す事が出来ます

最近のビデオスイッチャーとして、コストパフォーマンス面で大いに注目されているのがご存知「ATEMI Mini・Pro / Black Magic Design」です。
価格も下位版は¥36,000〜と大変安価であり、その反面で価格に見合わない圧倒的な搭載機能を誇り、予算を抑えた上でハンディビデオカメラのマルチスイッチングを行うのであれば、正直これ一択な気がします。

強いてデメリットとしてあげるなら

・同メーカーのカメラ以外はソフト上から各カメラの色調整が行えない事
・その安すぎる価格もHDMIの民生ハンディカメラを3〜4台揃えるとその部分だけで30万円以上となってしまう事
何より人気過ぎて取り寄せ待ちで秋迄入荷未定な事

でしょうか。

特に20〜10万円以内など予算面を抑えたシステム導入を考え、尚かつ早急に安価なスイッチャー導入を検討されている事業者の皆様にとっては、STREAM DECK導入はとてもメリットが多いと思います。

そしてボタンレイアウトは「フォルダ階層」を組む事も可能な事、別のソフトウェアショートカットをレウアウトする事も可能な事など、その汎用性の高さは多くの操作性/可能性を秘めています。

下図は当店の仮組サンプル写真

【②直感的に行える設定操作とその記憶数】

STREAM DECKの設定方法はとてもシンプルです。
実際の画面を見てみると下図の通り。

左側は実際のSTREAM DECKと同じ、15のボタン配列と同じです。

右側にそれぞれのアプリケーションの動作が記載されており、任意の動作を左のボタンのいずれかにドラッグ&ドロップする事で、動作記憶が可能となります。

動作記憶設定はとても簡単であり、フォルダ階層を駆使すれば15ボタンタイプで最大「210」のアクション設定が可能。

更に、「プロファイル」という概念が存在するため、新規プロファイルとして切り替えれば「210個のアクション設定を複数個作る事」も可能です。
※デジタルミキサーなどで言うところの「シーンメモリー」のようなものですね。

【③視覚的に捉え易いビジュアルフィードバック】

STREAM DECKの大きなメリットはその視認性の高さです。

ボタンレイアウトの際に、アクション名を任意で変更出来るのは勿論ですが、そのアイコン自体も変更が可能

例えば下図のようにアプリケーションアイコン自体をボタンアイコンに組み込めばより視認性を高め、誤操作を防止する事が可能です。

アイコン画像も自由に決められ、カスタマイズ自由なのもポイントです。

【④アクション設定例】

まだまだ当店もつかいこなせていませんが、代表的な使い方をご紹介。

1、Webサイトを開く

ブラウジングアプリで任意のウェブサイトを開く事が可能です。
例えば、OBSでYouTubeLiveを通してライブ配信する際は、YouTube Live STUDIOページを設定しておけば、より便利になる事と思います。

2、ホットキー割当

恐らくこれが一番汎用性・自由度が高い使い方です。
例えばOBSのアプリケーションでも、STREAM DECK設定画面の右側に記載が無い、少し踏み込んだアクションを割り当てたい場合、アプリケーション自体のホットキーをそのままボタンに割り当てる事で、更なるカスタマイズが可能になります。

これは様々なアプリケーションでも使用する事が出来、「ショートカットを覚えなくても使う事が出来る」「アプリケーション毎にプロファイルを自動切替して使用可能」な事など、多くのメリットを含んでおります。

3、テキスト入力

このあたりはもともとゲーム配信などで使われているデバイスであるため、チャットを入力する為に便利な機能です。

例えばライブ配信中のチャットアナウンスをするのに、文字入力が早くない人がオペレーションする場合も、ワンタッチで定型文を入力する事でクイックリーにアナウンスを流す事が可能です。

4、マルチアクション

こちらはまだ当店も扱え切れていない部分ですが、ワンタッチで複数動作を呼び起こす事も可能なようです。

これを使えば、より複雑なアクションは勿論、場合によってはOBSでのオートカメラスイッチングも可能になるのでしょうか。またこのあたりは検証して記事にしたいと思っております。

【⑤最大の利点 Bit Focus「Companion」】

最後に、当店が購入を決めた最大のポイントです。

①〜④までで十分に便利なデバイスであり、スイッチャーを導入する店舗であってもその拡張性/汎用性の高さから、十分に導入検討に値するデバイスです。

しかし、「音楽ライブでのマルチカメラスイッチング」と「ワンマンオペレーション」という部分において、最も特筆すべき点は『Companion』というフリーソフトウェアの存在です。

このソフトウェア、何をしてくれるかと言いますと、「STREAM DECK / Elgato」を様々なプレゼンテーションスイッチャー、ビデオ再生ソフトウェア、放送機器の増加に対応するプロフェッショナルなボックスサーフェスにしてくれるというもの。

そして、このソフトウェアがBlack Magic製のスイッチャーに対応しており、当店では新システムのビデオスイッチャーとして「Atem Mini」を導入しています。

勿論「Atem Mini」だけでも十分に音楽ライブのスイッチングは可能なのですが、こと「ワンマンオペ」となってくると話が変わってきます。

通常ライブで必須となる「音響(PA)」「照明(Lighting)」の技術スタッフ。
場所によっては、人件費の関係で兼任する事も有ると思います。当店にとりましても例外ではありません。

ですが、ライブ配信をしようと思うと更に、「カメラマン(Camera)」「スイッチャー(Video Mixer)」「ライブ音声(Audio Mixer)」の技術スタッフが必要になります。
つまり合計最低でも5人の技術スタッフで行うものなのです。

これを無理矢理1人でオペしようというのですから、無駄な動作をなるべく削減し、より効率的なオペレーションシステムにしなければなりません。

そこで活用すべき機能の1つが「オートスイッチング機能」です。

全てをマニュアルスイッチングでまかなおうとした場合、その間の音響操作や照明操作が疎かになってしまいます。
オートスイッチングを使用する事で、その間の別作業や細かな調整が可能になりますし、何かトラブル発生時にも対応に専念する事が可能です

オートプログラムを事前に作り込み、マニュアルスイッチングと組み合わせれば、より高度なワンマンオペをする事が可能となります。

しかし問題になるのが、「Atem Mini・Pro」にはオートスイッチング機能が付いますが、その操作はパソコン画面上での操作になるという事です。
ライブオペ中にキーボードマウスを片手に操作のは非効率、サーフェスでのより直感的に操作したいという要望が出てきます。

その懸念事項が『Companion』と『STREAM DECK』を使用する事により解消されます。

ワンタッチでオートスイッチが行え、更に「OBS」「ATEM Software」他などソフトウェアをまたいだ操作もワンタッチで可能。

事前のプログラム次第で、本当に様々な事が出来るデバイスであり、今回の導入機材の中で一番大きな収穫だと実感しています。

BlackMagic製品の他にも様々な製品をサポートしているようですので、色々な使い方が出来ると思います。

Support - Bitfocus AS

以上簡単に紹介をさせて頂きましたが、いかがでしたでしょうか。

今回紹介させて頂いた「STREAM DECK / ELGATO」ですが、現在在庫薄になりつつあるようです。第二波で再び自宅配信などが増えると予想されますので、ご検討の方はお急ぎ頂いた方が良いかもしれません。

次回は、その他リニューアルした当店の配信システムについて、カメラ本体などの選定基準などと合わせまして、詳しく記事にして行こうと思います。

もし当店同様の状況を戦うライブバー・ライブカフェ・ライブハウスさまなどがお近くにいらっしゃいましたら、こちらの記事を拡散頂ければ幸いです。

このシステムが少しでもどなたかのお役にたてれば幸いでございます。

最後までお読み頂き、誠にありがとうございました。

【アルマジロ技術スタッフ】

アルマジロクラウドファンディング目標額達成ありがとうございました。

打倒コロナ!本郷「アルマジロ」から届け! こんな時こそ「音楽」を絶やしたくない!
愛知・名古屋のミュージックバー「ARMADILLO」と申します。この度の新型コロナ・緊急事態宣言の影響で当店も多くのイベント自粛を余儀なくされております。こんな状況を乗り切り、そして、こんな時だからこそ別の形で「音楽による癒し」を提供したい!どうか皆様の力をお貸し下さい!!※動画は中区大須時代のもの
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